ハウスミュージックのキック音作り 2つのルール

Bedroom DTM

今回はハウスの音作りについて解説をしていきます。

「キックなんてどれ使ってもほとんど一緒でしょ?」と思ったことありませんか?

僕も始めたてのときは同じように考えていましたし、キックで違いが生まれるなんて思ってもいませんでした。

基本的にキックは、

  • サンプルの中から選ぶ(Spliceなど)
  • シンセで作成(Kick2など)

のいずれかで始めることが多いと予想されます。

これ自体、間違いではありません。

しかし、ハウスにはハウスのキックの特徴というものがあります。

それを把握しないまま制作してるとキックが目立ちすぎる、または埋もれてしまうなどの原因になります。

Tinlickeryoutube

大きなキックを使うと、一瞬でEDMっぽくなったりする。
ディープ・ハウスのようなハウスの中にEDMのキックを入れてもうまくいかないから、正しいキックでプロジェクトを始めることが重要

Tinlicker in studio youtubeより

と話しています。

正しいキックとはなんなのか?

まずはハウスで使われるキックの特徴を見ていきましょう。

ハウスのキックの特徴:長さ

上の画像をご覧ください。

こちらは、メロディックハウスやディープハウスといったジャンルで人気があるアーティストの曲です。

拡大をしてみるとキックの長さが見えてきます。

このジャンルのキックは『短い』のが特徴です。

1/8か1/16程度の長さがハウスでは一般的です。

ショートな理由としてはベースなどのスペースを空けるためにショートであるといった解説をしてるアーティストの方がいました。

では、どれくらいに長さにすればいいのか?

上の画像でキックの波形の減衰を見ると

1.1.2のあたりですっかり波形が消えてるものもあります。

長くても1.1.3のあたりで波形がほぼフラットになってます。

Ben Bohmerのマスタークラスを見たとき、キックシンセを用いてましたが長さは357msに設定してました。

357msは画像のような長さになります。

1.1.3の手前で音が消えています。

このようにジャンルによってキックの長さの特徴がありますので自分の曲作りで参考にしてる曲をいくつか分析して長さを確認するようにしましょう。

サンプルのキックを長さ調節する方法

この方法はプロデューサーの方がチュートリアルで使っていた方法です。
(その動画はなにか忘れてしまいました。)

例えば上の写真の長さのキックサンプルがあるとします。

このサンプルを更にショートにしたい場合。

サンプルの右上にカーソルを合わせると『 ] 』のようなマークになります。(Abletonの場合)

その状態でクリックして左にドラッグすれば長さを詰めることができます。

そして下の画像のようにフェードを書いて自然に音が消えるようにします。

こうして長いキックを短くすることが可能です。

キックのピッチを合わせる

Spliceでキックを探しているときKeyがあるサンプルを見たことありませんか?

そう、キックにもピッチ(音の高さ)が存在します。

そしてキックのピッチは曲に合わせるのが良いとされています。

これはハウスに限らずどんなジャンルでも共通してることです。

例えばCメジャーで曲を作っているのであればG#のキックは使わないといった感じです。
(CメジャーはC,D,E,F,G,A,Bのみを基本として使うため)

ただハウスの場合はローエンド(波形が最も盛り上がる場所)が40hz~60Hzが多いです。

これまで多くの曲を分析してきましたがG、G#、Aのキーを使った曲が多い印象です。

キックのキーを確認する方法

ここでは無料のプラグインSPANを使ってキックのキーを確認する方法をシェアします。

最も盛り上がってる部分がそのキックのキーを示します。

ModeをHigh resにして波形を細かくしてHOLDを押して盛り上がってる部分にカーソルを当てれば以下の画像のように『G1』つまりGがキーであることが分かります。

キックのピッチを変える方法

Kick2のようなキックシンセはキーを自在に変更することができます。

サンプルを使った場合もキーを変えられることをご存知でしょうか?

Abletonの場合であればサンプルに対して直接ピッチを変えることができます。

他にはサンプラーのプラグインを用いることでもピッチを変えることができます。

Logicproの場合は下のDrum Mashineを使うとピッチを変えることができます。

こうして自分の曲に合わせたピッチに変えてください。

パンチのあるキックを作るためのコンプレッション

これはHannes Biegerというテクノのアーティストがyoutubeで話していたテクニックです。

僕も試してみたところキックのパワーが明らかに変わったので毎回、コンプレッサーを挿すようになりました。

動画ではAPI2500というコンプレッサーを用いています。

動画ではこのような設定でした

アタックは30と長めにします。

アタックが短いとキックのトップであるアタック音がなくなってしまいます。

レシオは3程度でソフトにして、
リリースタイムは次のキックがすぐきますので短くします。

少しの変化なので意味があるのか分かりませんでしたがごくごく小さいことにこだわることが目標とする音作りへ近づくための一歩であると信じて日々、音作りの勉強と実践をしています。

まとめ: ハウスのキックは長さとピッチ

キックはサンプルを使うかキックシンセで作成した音を使うかなど方法はいくつもありますが、どんな方法で作るのかではなく何を選択するかが大事なのだと思います。

それが、

  • ピッチ(曲のキーに合った高さを選ぶかチューニングする)
  • 長さ(ハウスは1/8~1/16程度の長さ)

です。

この記事のリソースはBeatportでランキングを賑わすハウスアーティストやハウス専門レーベルのトップアーティストの曲を検証して発見した共通点。

そして活躍しているアーティストがMasterclassやSonic academy、youtubeなどで解説しているキックの注意点などについて調べて大事だと思った点を書き留めてきたものになります。

あなたの作るハウスが少しでも良くなることを祈ってこれで終わりとさせていただきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

とみじゅん

とみじゅん

35歳の時にLogicproで音楽制作を始めました。 使い方も音楽の作り方も何も分かりませんでしたが毎日少し触っていくことで徐々に理解が深まりました。 このブログはそんな35歳の初心者だった僕への助言であり、これから始めるあなたへのアドバイスです。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP